2005年05月12日

『ジェヴォーダンの人食い狼の謎』

アベル・シュヴァレイ 著 ・ 高橋正男 訳

「ジェヴォーダンの人食い狼」とは、18世紀のフランス・ジェヴォーダン地方で3年の間に100人以上の女・子供を食い殺したが、
未だにその正体が何だったのかハッキリと分かっていないそうで、フランスではかなり有名な話なんだとか。
日本でも公開されたフランス映画『ジェヴォーダンの獣』を観たことのある人なら名前くらいは知っているでしょうが、ではその「ジェヴォーダンの獣」(”獣”→”ベート”と記述される場合があるみたい)に関する事件がどんなものかと言うと、
たいていの日本人には分からないと思う。かく言う私も、その中の一人だけど。

映画自体はかなり酷評している人と「面白いじゃん!!」と言う人で、意見が真っ二つに分かれているみたいですが、私はどちらかと言うと後者の方。
「歴史的な事実に基づいた娯楽作」だと思っているので多少のアラには目をつぶれるんですが、映画の中での獣のキャラクターに関してはちょっと物足りなかったので、「じゃ、本来のベート事件ってどんなの??」と単純に興味を持った訳です。
そこで「ジェヴォーダンのベート」について書かれた本を探したんだけど、これがなかなか見つからない。
近くの図書館で検索をかけても見つからないし、
それならフランスで出版されているのを捜せば手っ取り早いんだろうけど、
悲しいかなフランス語の原書なんて読めるはずもない。
で、探し回ってやっと見つけたのが、この『ジェヴォーダンの人食い狼の謎」でした。
この題名だけを見て、かなり興味をそそられる内容だと思ったので読んでみたのだけど・・・

良くも悪くも、見事に期待を裏切られましたのよ。
”人食い狼の謎”って題名なので、「ベートの正体」についての謎解きでもされているのだろうと思っていたら、全然違う。謎解きなんてないです。
ベートの正体については多少言及されていたけど、
この本の原版は事件当時の関係者が子孫に語っていたことを書き記したものだそうで、どちらかと言うと「謎解き本」って言うよりは回想記って感じでした。
でもね、今では伝説化されている事件をリアルタイムで体験した人の話を書き記している訳だから(実際の”ベート狩り”にも参加している)、
おとぎ話のような印象は一切受けないし、訳の分からない理屈をつけて”ベート”の正体を断定してしまうよりはよっぽどいいと思うんだよね。

ただし、訳者が「この本を面白く読ませよう!」とは思わなかったのか、
はたまた私が読み手を楽しませるテクニックを使った文体に慣れてしまったのか、
読み始めてから暫く経つまでなかなか読み進まなくて、途中で放っぽり投げようかと思ったこともあったくらいだから、「ジェヴォーダンのベート」によほどの興味がない人以外にはオススメいたしません。
凄く興味がある訳ではないけど、「ジェヴォーダンのベートってどんなの?」と言う程度に好奇心がある人には、『空想博物誌シリーズ1 驚異の未知動物コレクション』という本が良いかと。
「ジェヴォーダンのベート」以外にも、『X−ファイル』シリーズにでも出てきそうな話題がテンコ盛りだし。
○槻教授のように科学で解明できることのみを信奉している人は拒絶反応を起こしそうな本ですが。
posted by こた at 23:53 | ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | book>ノンフィクション
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