2005年05月29日

『ゴールデンボーイ ― 恐怖の四季 春夏編 ―』

ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編

スティーブン・キング 著(翻訳:朝倉久志)

いつも映画の感想ばかり書いているので、たまには私の愛読書のことを書いてみようかと思ったけど、はてどの本の事を書けばいいのやら?と迷ってしまいました。

と言うのも、「一応どんなジャンルの本でも読みますわ〜!」と言いつつ、好きなジャンルとなると非常に偏っているもので・・・。
実際、自室の本棚をみてみると、物騒なタイトルの本ばかりなので、とてもじゃないが人様には見せられません Σ(´Д`lll)

そんな中で、
人気作家の本というと”スティーブン・キング”の作品しか見当たらないしたらーっ(汗)
なので、今日はキング作品の中から「ゴールデンボーイ」を選んでみました。

ところで、この「ゴールデンボーイ」ですが、原書ではキングの中編小説集「Different Seasons」という一冊の本にまとめられて出版されていたものを、
日本で翻訳・出版する際に「春夏編」と「秋冬編」の二冊に分けて出版されたうちの、「春夏編」になります。
収録作品は「刑務所のリタ・ヘイワース」と表題の「ゴールデンボーイ」の2作品。
どちらの作品も他のキング作品のご多分に漏れず、映画化されていますね。
「刑務所の〜」は『ショーシャンクの空に』、「ゴールデンボーイ」はそのまま『ゴールデンボーイ』の題名で映画化されているので、知っている人も多いんじゃないかな?

話を本に戻すとして・・・
本のタイトルに「恐怖の四季 春夏編」とあるとおり、「刑務所〜」が春で「ゴールデンボーイ」は夏の物語として収録されています。
しかし、この2作品、同じ本に収録されているとはいえ、それぞれの内容は全くの正反対。
「刑務所のリタ・ヘイワース」の根本にあるものは”希望”だと思うけど、
「ゴールデンボーイ」となると、読んでいても”希望”はおろか”絶望”すら感じられない...もし感じるものがあるとすれば、”人間の心の闇”みたいなものかな。

「刑務所の〜」は映画化された『ショーシャンクの空に』と内容的に大きな違いはないけれど、ラストに限って言えば、映画よりもかなり曖昧な終わり方だと思います。
物語の根底にあるのが”希望”だと言う点には、変わりはないと思いますが。
とにかく、私の感想は、読み終わっての後味が爽やか、の一言でした。

ところが、次の「ゴールデンボーイ」になると、「刑務所の〜」とはうって変わったように、全く救いのない物語が展開します。
どこから見ても”非の打ち所の無い”少年が、ちょっとした事がキッカケで、少しずつ恐ろしい人間になっていく。そこに「ナチ戦犯」も絡んでくるんですが、ごく普通の家庭で育った少年の変わりようが怖い!
老いたナチ戦犯と普通の少年の力関係が、物語が進むにつれ、ドンドン逆転していくさまは恐ろしいものがありました。

さて、私の感想はこんなところですが、どちらの作品も読む人によって多少見方が変わってくるとは思います。
ただ、どちらの作品も中編小説なので、キングがあまり好きではないという人も一度読んでみては?
posted by こた at 15:56 | ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | book>スティーヴン・キング
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